今日はメニューの中にあるオーガニックカラーってなんなんでしょう。
ちょっと難しい成分のお話などが出てきますが飽きずに読んでいただければと思います。
オーガニックカラーって
“オーガニックカラー”と聞くと皆様はどんなイメージを持つでしょうか?
僕みたいにひねくれた性格ではない限り
- 髪に良さそう
- 頭皮に優しくて刺激がなさそう
- 自然の成分で作られていそう
- アレルギーとかの害がなさそう
でしょうか?
大体合ってると思いますが、実際はどうなのってところを僕なりに説明いたします。
ヴィラロドラカラー
藤沢ベニスビーチ で使用しているオーガニックカラーは写真の2メーカーです。
下段のカラー剤はヴィラロドラカラーというイタリアのオーガニックブランドです。
日本ではミルボンが代理店になっていますね。
こちらは白髪を染めるためのオーガニックカラーとして使用しています。
成分やらコンセプトやらは検索すれば出てきますし公式ホームページを見てみてください。
薬の内容や特徴は他のサイトをみてください。
僕が実際使ってみてどうなのか?でお話をします。
メリット
- 艶がすごい
- ダメージは少なく感じる
- 刺激臭や嫌な香りはない。むしろ無臭。
- 2剤が5.5%
4 .の2剤が5.5%ってところは説明いたします。
“カラー剤の種類を解説”でも説明しましたがカラーの2剤には過酸化水素水の濃度があります。
日本の薬事法では過酸化水素水の濃度は6%以下と決められています。
大体のカラー剤には3%と6%が用意されていて、明るくしたければ6%。色を入れるだけなら3%。2つを混ぜて5%を作る。なんてして使っています。2剤(過酸化水素水)の役割としては脱色と発色に関わってきます。まだ読んでない方は復習をお願いします!
過酸化水素水の濃度は低ければ明るくする力が落ちます。発色も薄くなります。
逆に6%の上限だと明るくなる力が強いため、その分痛みます。
そこで5.5%の登場です。よりダメージに配慮しているカラー剤だと思います。
お次は
デメリット
- ジアミンは配合されています
- 価格が高い
- 放置時間が長い
- 染まりが薄い
良いことばかりではありません。自分の使う薬剤で悪いこと書く美容師はあまりいない。。。
ジアミンってなんなの
から説明しないといけません。
ジアミンは「酸化染毛剤(アルカリカラー剤)」の染料として使用されています。酸化染料の仲間で、酸化染料は、毛髪内部で酸化結合して高分子化して発色します。その為、毛髪内に定着しやすく色持ちが良いという長所があります。
主な酸化染料
- パラフェニレンジアミン
- 硫酸トルエン2,5-ジアミン
- パラアミノフェノール
- オルトアミノフェノール
- メタアミノフェノール
- パラアミノオルトクレゾール
- 塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール
- レゾルシン
赤字はアレルギーを発症するリスクが高いも
青字はジアミンと比べればマシですが、刺激性やアレルギーの可能性がある成分です。
上の写真はカラー剤の成分表示です。はぁー。。。難しいですね。
通常メニューの白髪染め、中野製薬キャラデコ 、そしてオーガミックカラーの白髪染めヴィラロドラ。
さて、成分表示を見てみると
ヴィラロドラカラーにはパラフェニレンジアミンが入っていません。
メーカーサイトにも
シリコーン、パラベン、パラフィン、ラウリル硫酸ナトリウム、パラフェニレンジアミンなどは使用しません。
と記載があります。
しかし。。。
ジアミンアレルギーがある方にはやはり難しいです。
硫酸トルエン2,5-ジアミンは入っています。
なので、すでにパラフェニレンジアミンでかぶれを起こしたことがある方は、硫酸トルエン2‐5ジアミンでもかぶれてしまいます。
同じじゃないかと思った方、ちょっと待ってください。
パラフェニレンジアミンと硫酸トルエン2‐5ジアミンと硫酸パラフェニレンジアミンは、ジアミン系染料ですが化学式が違います。化学式がちがうので、アレルギー発症リスクも同じではありません。事実欧米ではパラフェニレンジアミンの配合を禁止している国は多くありますが、硫酸トルエン2‐5ジアミンはまだ禁止されてなかったりします。始めて白髪染めをするとき、パラフェニレンジアミンが入ったカラー剤と、硫酸トルエン2‐5ジアミンが入ったカラー剤では、アレルギーを発症するまでには倍以上違ってくるそうです。
たたし、白髪が染まりにくかったり、色味が制限されたりするそうです。
この辺りが4.の原因だったりします。
そして、材の仕入れが高いため、放置時間が長いため+¥2000をいただいています。
ローランドオーウェイ Hカラー
さてお次は上段のカラー剤、ローランドオーウェイ Hカラーです。
こちらも詳しい説明は公式ホームページを見てくださいね。
僕が使った感じを書きます。
メリット
- 艶がとてもとてもすごい
- ダメージはかなり少なく感じる。
- 刺激臭や嫌な香りはない。むしろ無臭。アンモニアフリー。
- トリートメントはいらないくらい。
Hカラーは独特のカラー剤です。7レベル以下はほとんど脱色する力がありません。。。
ということは、ほぼ痛みません。艶がすごいです。トリートメントいらずですね。仕上がりに関してはとても良い質感で皆様に違いを感じてもらえるんではないかと思います。
そして3.のアンモニアフリー。アンモニアはアルカリ剤です。カラーはphをアルカリによせて髪を膨潤させ毛髪の中で発色しますのでアルカリ剤は不可欠。アンモニアの代わりにモノエタノールアミンを使用しているようです。
気化したアンモニアを吸収することによって引き起こされる呼吸器系のアレルギー誘発の可能性を抑え、体全体にその影響を受けるのを低下させます。
アンモニアはヨーロッパでは嫌われているそうです。メリットのところに書きましたがどうなのでしょうか?そこで、ある日本のメーカーのカラー剤の開発者に聞いてみました。
実際はどうなの?
その方によると、日本においてはアンモニアは悪いとはされていないようです。日本のカラー剤にはアンモニアが使われています。理由としては、気化するので髪に残留しにくいから。アルカリが髪に残留するとキューティクルが開いたままの状態になってしまいます。。。モノエタノールアミンはアンモニアに比べて残留しやすいようです。
デメリット
- 価格が高い
- 工程が長い
- 時間がかかる
- 高明度は不得意
工程の部分はまた後日説明いたしますが、ともかく明るくすることが不得意なカラー剤です。
痛まないのですが明るくすることが難しかったりします。しかしこれは薬剤の調合やテクニックでカバーしていきますのでご安心ください。それゆえに時間がかかり工程が長くなってしまいます。
結局のところ
もちろんお店で使っているカラー剤全てに自信を持っています。
オーガニックでなくても良い仕上がりになるのは当然のことです。
この記事を書くにあたって色々調べましたが、やはりオーガニックカラーはデメリットもありますが、より髪や頭皮を大切に、カラーリングを長く、きれいに続けようと思うならば僕はオススメいたします。
お客様の髪質も人それぞれです。薬剤に強い弱い、細い髪、太い髪、などなど、悩みは人それぞれです。
何にいくら使うか、価値観も人それぞれ。
湘南に住んでいる方は海や自然を感じられる環境だと思います。オーガニックカラーのコンセプトはバッチリ合うのではないかなとも思います。
押し付けるのではなく皆様のお悩みやニーズによってご提案いたしますので、ご相談やご質問があればお気軽にご相談くださいね。